vol.16 ●こんばんは。でもさようなら。
vol.17 ●ピンクのほっぺのクリントン!
冬晴れのハーレム、その日は堂本かおるさん主宰の「ハーレムウォーキングツアー」に参加するため、早めに待ち合わせの場所へ行った。
集合場所は、125丁目のスターバックス。実はこのスタバ、オーナーは誰かというと、元NBAのスター選手マジック・ジョンソン。地元の黒人商店が並ぶハーレムの目抜き通りに、白人資本のスターバックスを持ち込んだことで、ハーレムの再開発が一挙に進んだという店でもある。
そんなに大きな店ではないけれど、いつも人でにぎわっているし、通りに面しているので、待ち合わせにも最適だ。壁にはマジック・ジョンソンが微笑む写真もデ〜ンと飾られている。
30分前には着きそうだから、コーヒーでも飲んで待っていようと思い、そろそろ見えてきた店を視界に捕らえつつ、その前の横断歩道を渡ろうとしたら・・・
何かむこうで人だかりができつつある。
その中心にいるのは白人だ。4人くらいの白人が、ゆっくりこちらに向かって歩いてくる。
「あれ? 珍しいなぁ、白人の集団ってそんなに見ないのに・・・」
なんであんなに周りが沸き立っているのだろう。
私は歩いて横断歩道を渡りながらも、こちらにまっすぐ向かってくる白人と、その周りを取り囲んでは握手を求める人たちの集団を、正面から向かえる形になった。
視力が悪い私の目がやっと捉えたのは、もうその集団がすぐそこに迫ってきた時だ。
誰だ?
あっ!
私はようやく、その相手が誰なのか、気づいた。
あれあれ!!!
あの人、元アメリカ合衆国大統領ビル・クリントンやん!! きゃ〜!!
と思った頃には、もう私の2m先で、黒人のファンにもみくちゃにされているクリントンがいた!!
握手を、握手をしてもらわなければ・・・
と思ったときには、そのもみくちゃの波に飲まれて、あれよあれよいうまにSPのガードにさえぎられ、
彼はオフィスへ入っていってしまった。
そう、彼のオフィスは125丁目。
外観に大きなGAPの広告が掲げてあるビルの、見晴らしのよい上の階が彼のオフィスなのだ。
私はクリントンの出勤タイムに、ちょうど真正面からかちあったということになる。
こんなことが起こっていいのか。
テレビで見ていたあのクリントンが、このタイミングで私の目の前にいたりするハーレム!!
すごい、すごすぎる!!
ハーレムマジック!!
生クリントンは、確かにモニカ・ルインスキーがほれるほど、素敵なオーラを放っていた。
ピンクの頬をして、ナイスでキュートな微笑みを返しつつ、リッチで優雅なオーラを放っていた。
もちろんSPに囲まれてはいたけれど、ゆっくり歩いては街の人たちと打ち解けようと、にこやかに声にこたえ、握手にこたえていた。
それも政治的な作戦じゃないの!? そういう意見もあるだろうけど、やっぱり出会うと嬉しい。
モニカ、あんたの気持ち、わからんでもない。
そういえばちょうどその1年前、ダウンタウンのマーケットで、ビル・クリントンのマトリョーシュカを発見。
マトリョーシュカというのは、ロシアの民族人形。中に小さな人形が幾重にも重なって内包されている
子だくさんな人形です。
いったい中は誰が入っているのか!と思い開けてみると、
外観はスマイル満点、ダンディなクリントン。
その中には、奥さんのヒラリー(彼女もハーレムで人気があります。ハーレムの教会にもよく訪れては講演をしたり、意見を聞いたりしています)。
そしてその中には、なんと、不適切な関係のモニカ・ルインスキー!!
さらにまたその中には、たぶんクリントンとヒラリーの娘だと思われる人形が入っていた。
4つ巴のマトリョーシュカ。
不適切な関係も、「My Life」の遠い思い出になってしまった今、あのマトリョーシュカを思い出の品としてプレゼントしてあげたいような気がします。
筑紫さんの「News 23」で、モニカ問題をガツンとなげかけた大阪のオバちゃんになりかわって、
ロシアに伝わる、この、家内安全、子孫繁栄のお守り人形を!
イヤミな贈り物だな、これ。
でも、クリントン。やっぱりカッコよかった。
セレブって、あんなオーラを放ってるのですね。
リッチ、リッチャー、リッテスト!!!